<2001年9月11日午前9時38分、米国、ワシントン>

その最後の何分間かに、貴女は何を思っていただろうか。
希望は、なかっただろう。
彼等が貴女達に、これから起こる事を話したかもしれない。
そうでなくとも異様な高度。窓から外も見えただろう。
聡明な貴女は、これから何が起こるのか、きっとさとっていただろう。

映画のシーンのような。
こんな事が現実に起こるなんて、考えてもいなかった。
そのあまりの突拍子の無さ。
第一報を聞いてから約24時間が経過した今も、現場から地球のほぼ反対側にいる私には、まだ現実感が薄い。

何を考えていましたか?
貴女の心は平穏から程遠いところにあっただろうけれど、それでも貴女が最後まで冷静さを失わずにいただろうと、なぜか確信しています。
その事に救いを求めようとしている私がいます。
今回の事件で、世界のあり様が変わってしまうような気がして、とても怖い。政治も経済も。
けれど、国際情勢のあり様よりも。
今はただ、貴女を殺したモノの正体が知りたい。