シャンソンとベンチャーズな一日

日曜日。
ギタリストの友人Kが出演するライブに行ってきた。
同行者は共通の友人Z。場所は銀座のジャズハウス。
本来はチケットを買うべきところ、私の財布事情を知ったKが特別ご招待してくれた。
切実にチケット売りしなけりゃならない立場の人間なのに。Kはそういうところお人好しでいいヤツだ。
お礼に、場を華やかにするためにおしゃれをしていくと約束していた。

現場に着くと。そこは小さいながらも気持ちのよい、老舗のジャズハウス。
この日はZの友人達と現地で待ち合わせ。さっそく紹介してもらい、先着の方が取って下さっていた、演奏ブース脇の席に着席。
机の上にはナプキンなど用意されていて、飲み物2杯と軽食が出るらしい。
レンタル料が高そうな箱であると改めて気付き、Kに申し訳ない気持ちがこみ上げるが、ありがたくいただく。

Kはジャズから演歌までいろいろ弾くヤツで、独りで演奏したり、誰かとセッションしたり。いろいろな活動をしているらしい。
今日はKがいつも組んでいるシャンソニエのR女史とのユニットと、そして私は初めて名を聞くベンチャーズバンドとのコラボレーション。
Kは若いが、お父様の影響でベンチャーズが大好きなので、その辺の縁で知り合ったのかもしれない。

演奏はというと、パワフルで最高。
R女史はお酒の似合う可愛い女性で、庶民の雑歌であるシャンソンを陽のエネルギーいっぱいに、笑いも涙もあっけらかんと歌い上げた。
一方、ベンチャーズバンドはどんな方達かと思ったら、平均年齢50歳をかろうじて切るか…というご年齢の方々。
それでも、いちじるしく平均年齢を下げている人がいて、だけれど、ね。(息子と同い年とかいわれてた/笑)
ベンチャーズが大好きで大好きでバンドまで組んじゃった…というのが伺える。
私でも知っている、懐かしい名曲の数々を演奏してくれた。

今日の同席者は、私ともう一人をのぞいて全員ベンチャーズ世代。
毎日呆けた義母の介護に明け暮れているKさんは特に、曲名が読み上げられる度に大喜び。
その喜び様に、ボーカルはKさんに向かって歌ってくれる。w
青春を思い出すわぁ…と涙ぐむKさんと二人でいい曲よねと肩をつつき合い、大いに盛り上がった。

最後のステージは、出演者全員での合同演奏。
ベンチャーズに始まり、銀座のカンカン娘や真っ赤な太陽など。
アガる。w

あっという間に3時間が経ち、ライブ終了。
最後にKに挨拶に行き、おしゃれをしているのを褒めてもらう。
その後は、用事がある一人が帰宅したが、残りの人間でお茶。
Kや、先に帰宅をした人を肴に盛り上がる。(笑)

先に帰宅をした人、というのはZの元同僚なのだが、彼はゲイで。
しかし、入社してきた当初はそれを隠していたらしい。
Zいわく、「言動でバレバレなんだけれど、本人必死でそんなそぶりを見せないように努力してるから、みんなで気付かないフリをしていてあげてたのよ」。
結局バレて、いまでは会社でカムアウトしているそうだが、彼がみんなに愛されている様子がうかがえ、なんだか微笑ましかった。

ちなみに彼とギタリストのKとが初対面したあと、別の友人はKに「声が男で話が女の人みたいだけど、性別どっちの人なの?」と聞かれたそうだ。
全盲な為耳から判断するしかないKは、判断に大いに困ったらしい。(爆)

そんな話で盛り上がりつつ(笑)、楽しく過ごし、今度は江古田のライブハウス辺りでの再会を約束して解散。
本当に楽しかった。