過干渉

「過干渉の親も、自己中心的で欲望をコントロールできない点では同じ。子どもの叫びを封じ込めている」
新聞の記事の言葉。
古傷をえぐられる。
「私はこんなに子どもを思っている」
思われているのは分かっている。
だから、それを免罪符にしないで。
貴女の思い通りに私を操ろうとしないで。

貴女が「操ろう」なんて思っていない事は知っている。
思いもしないで操ろうとするのが貴女の罪。
私がどれだけ傷ついていたか。貴女をどれだけ憎んでいたか。貴女は知りもしないし知ろうともしない。
私も貴女が私を愛しているのを知っていたから、私の事を一番に思ってくれているのを知っていたから、貴女を本心から憎む事はできなくて。
でも「あなたのため」という言葉を免罪符に私の生活の全てを自分の思うとおりにする貴女に、貴女の示したレールを歩まない事は親への愛情が欠如しているという貴女に私の心はずたずたにされ、私の事を愛しているはずなのにその事には気づきもしない貴女を私は憎んでいました。

今はそういう満たされない思いはどこかへ行ってしまって、心はもう苦しくない。
貴女の言動が前と変わったという訳ではない。歳をとっただけかえってひどくなった。
私がそれを諦めて受け止める事ができるようになっただけ。

貴女は子どもを一人の人格と認めて、一対一で向き合う事ができない人。
貴女自身が親とそういう付き合いしかなかったから、それ以外の付き合いかたをしらない。
思えば貴女には親しく話せる友人もいない。
人との交流が苦手な貴女。
貴女も貴女なりに必死だったのね。

貴女をもう憎んではいないけれど、でもいつか貴女がもっと歳をとって弱くなり介護を必要な状況になった時、もしも二人っきりになったとしたら、私は貴女に優しくできるか自信がない。
貴女に恨み事をいって介護を放棄してしまうかもしれない。仕返しといわんばかりに。

だから貴女と一緒には住めません。