適材

記憶を辿りながらの日記

色々な事のあった、濃い一日。
会社への報告をする。

同僚の事を中央の人間に報告をするのは難しい。
彼女の仕事は明らかに手落ちだ。
中央からの指示に沿わなくてはならないという制約があるにしても。
しかし、その事は告げる訳にはいかない。
告げてもよいが、「あそこ」ではそういう行為は好まれない。

彼女が無能という訳では無いのだ。
私とは比べものにはならないほどの実力のあるベテランの彼女。
ただ今回の仕事は、彼女のこれまでしてきた仕事とはかなり隔たりがあり、クライアントの求める商品にも違いがあり。
なのにその事に彼女が気づいていなかった。
それが間違い。
しかも会社側もその事には気づいていなかった。
適材を適所に用いなかった悪い例。
最初の歯車がうまく噛み合わなかった事から、何もかもがうまくいかなくなっていた。

あちらこちらに気をつかっての報告。
「事勿れ」主義の会社体質から考えて、これで何が変わるという事はないだろう。
しかし、担当者がわざわざ私の元に出向いたという事は、社の方でもこの事を問題視している現われだろう。

現在の彼女の仕事については、もうどうしようもない。
しかし、今後の事がある。
今回の事を、社が教訓にしてくれればいいと、その為に私の報告が少しでも役にたてばいいと、ただそれだけを思う。