近い将来の、私の姿を見た思いがした

都内某市内の賃貸マンション内の自室で、30才代はじめの女性が餓死しているのが発見されたという。
友人二人と同居。
生活費が尽き、家賃も電気代も滞納した上での餓死。
同居女性は衰弱しているものの、きわどいところで一命を取り留めたようだ。

ともに無職だったという二人。
テレビニュースを職場で聞いていると、となりに座っていた若い社員が、
「どうして働かないのかしら」
と呆れたような声をあげた。

「どうして働かないのか」
彼女達の事情を私は知らない。
「働かなかった」のか「働けなかったのか」。
いずれにせよ、「働きたくても(健康上の理由や、もしくは就業先がないなどの理由で)働けない」人がこの日本には大勢いるという事には思いいたらないらしいその若い社員の言葉は、私を傷つけた。

帰宅をしてから、再度ニュースをみた。
件の女性二人。
共に現住所のある市内に実家がある、十年来の友人だという。
家族や親戚はいなかったのか?他の友人は?
いなかったのか、いても頼れなかったのか。

あの二人は私なのかもしれない。
でも、私はあのような死に方をするわけにはいかない。
この部屋で死んではいけないし、ニュースになってもいけない。

そうはいっても、このままでは遠からず、私も同じ道を辿るしかなくなる。