だんだん先が見えてきた

3月末で辞めるバイトのうちの一つで一緒だった後輩から、メールが来た。
以前、一緒に組んで仕事をして以来の仲。

彼女と一緒になったアルバイト。
所持資格やらなにやらの関係で、彼女が職場に入ってきたのと同時期に私は職場から切り捨てられた。
以来、職場にとって都合のいい時のみ臨時に呼び出される程度。
彼女と一緒に仕事を組んだ時の事にしても、「切る前に代わりの新人の教育をさせておこう」という意味合いを持っていた事を私は知っている。
楽天的な彼女は、そんな事、思ってもみないようだが。
だから彼女に対しては複雑な感情がある。
彼女の事を決して嫌ってはいない、むしろ好きなのだが、明るく向き合えないものがある。
仕事を辞める事を、彼女にはまだ言っていない。

メールの用件は、彼女が結婚をする事になったという連絡だった。
仕事にプライベートに充実をしている様子がうかがえる。
幸せいっぱいで。

空虚。

痛みも何も感じない。
ただ、その意味を受け止めるだけ。

私には何もない。
仕事も心許せる人も。

私のかつて得ていた場にいる彼女。
必要とされている彼女。

彼女の存在もまた、私の背を押す。
また一歩、また一歩と崖っぷちに向かって。
私の存在には意味がないのだと、はっきりと知らされる。