生きていていい

この前、会社の人と話していた時、食事の話になった。

「ちゃんと栄養を取っていないでしょう?」と、その人は私に注意する。
その人も、若い頃は食事に気をつかわず、偏った食生活を送っていた。
けれど50代に入り、健康診断に引っかかるようになった時、医師に食事についての注意を受けたという。
「貴女はまだ若いけれど、今は大丈夫でも、年をとってからだんだんダメになるんだよ。
若い時から注意していないとダメ。今が大事なんだよ」

その忠告を苦笑混じりに聞き、でも私はこれでいいのだと。私は身体を壊しても構わないのだと、心の中で答えを返す。
私は長く生きる気もないし、自分を壊してしまいたいのだ。
だから。だからこれでいい。
壊してしまいたいからこそ、こうしているのだと。
そう心の中でつぶやき、そして気がついた。

そうだ。
私が死ぬ必要は、もうないんだった。
私は行き続けていて良いのだった。
生きようと決めたのだった。

そうだった。

ああ、なんて不思議な感覚なのだろうか。
生きていていいだなんて。