無断転載〜職業に対するプロ意識に貴賎がある

無断転載

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「生活のリズムを作り出す人」ってすごい、と最近とても思う。
朝起きる時間にきちんと起きる。今日の朝ごはんは何にしよう。お味噌汁にごはんにのり、納豆。それともパンと目玉焼きとベーコンかな。お弁当もつくらなくちゃ。家族を起こして、時間どおりに送り出す。昼間は掃除と洗濯をして、布団を干してフワフワに。夕方は晩ご飯のためにスーパーに買い物。今日は何にしよう。あの人は、あの子は、何を食べたいかな。炊きたてのごはんと、おいしいあつあつのおかずと、栄養のバランスも考えて、野菜。食後にはお茶をいれてひと息。さあ、そろそろ寝ないと明日も早いよ。つまり、そういうことを毎日きちんと普通にしている人。
ひとりで暮らしていると、朝はごはんなぞ食べないで家を飛び出すのが普通だし、誰かと一緒に暮らしても、彼もそういう人だったりするので特にそのままライフスタイル変わらずだったり。昼はもちろん外食か市販のお弁当。夜も好きな時間に食事。夜中だろうが、がっつり食べて、お酒も飲んで、寝たい時間に寝る。自由で気ままで楽ちん。
でもでも、もしかして普通の生活の普通のリズムの中にこそ、大切なこまやかさとか人に対する優しさとかって埋まってるのかもしれない。「仕事」とか「遊び」とかにまっしぐらで「生活の当たり前」をどんどん後回しにしてもそれなりにちゃんと生きていけるし、テキトーに享楽的に毎日過ごすのはもちろん楽しくて熱くていいんだけど、そのぶん、大切なものを落っことしてる気がしてる。朝ご飯食べるとか、植物に水をやってから出かけるとか、食後に丁寧にいれたお茶で一服して胃袋をやすめるとか、そういうものの中に埋まってる優しくて大事な何かを、あたしはすこし放りすぎかもしれないなあ。
当たり前な生活は、実はとっても偉いのだ。
/広野ゆうな

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メールマガジンより