もしかすると、心霊的体験

夜中まで眠れず、布団の中でうとうとしていた時。
布団の脇に置いていた箱が、左足の上に倒れこみ、足を押さえつけているのに気付いた。
少し足を動かして箱を避けようかと思った時。
ふいに「ヴォンッ」というくぐもった音がして、背筋を寒気が走った。
次の瞬間、胸の上に何やら丸い重みがのしかかり、「………」と機械を通したような声がすぐ側で聞こえた。
何を言っているのか、内容は聞き取れない。
ただ、それが私に何かを訴えかけているのは理解でき、「空間が繋がったのだ」と、なぜかそう思った。
とっさに頭を空にし、浅い息を数度程吹きかけるとその気配は去り、「空間が閉じた」「助かった」と思った。
どうしてそう思ったのかは分からない。
ともかく気付いた時には部屋には私しかおらず、左足の上の重みも消えており、そして、足の上に載っていたと思った箱は見当違いの所に置いてあるのだと思い出した。

おろらく時間にして1、2分といったところだろう。
あの体験が何だったのかは分からない。
ただ、「あまりよくないもの」だったのは確かな気がする。
まずは、夜になる前にセージを焚こうと思う。