贅肉
毛色だけ見ると次男は立派な日本ネコに見えるが、彼は洋ネコの血をひいている。
だから毛は長くて密だし、体格も一般の日本ネコよりもいい。
ただ彼はおデブちゃんだった。
全体的に肉がついているなら許せる。
しかし彼はお腹にだけ脂肪が偏っていた。
ホルスタインの乳房のごとく、彼の腹部からでろ〜んとぶら下がっているもの。
それは彼の贅肉なのだった。
長男の死からの一連の騒ぎで、彼の生活は無茶苦茶になった。
何日にもおよぶ絶食やら食欲不振やらの影響で、彼のお腹は今やすっきりと締まっている。
喜んじゃいけないんだけれど。
笑ってもいけないんだけれど。
でも、なんだか嬉しくてそして可笑しい。
あれって、本当に脂肪の塊だったんだなあ。