迷いながら

バイトが終わった時に、スタッフの一人から声をかけられた。
去年に私が受けた依頼業務の担当者だった人で、正直いって私は彼が苦手だ。
仕事のパートナーとしては最低だと思っている。

「今回の仕事の進み具合はどう?」とたずねられたが、自信をもてるような余裕のある仕事ではない。
ので、「…頑張っています」と答えたところ、「迷いながら仕事を進めるのが、あなたのスタイルだからね」と言われ、少し驚いた。

そう。私はいつも迷っている。
「これでいいのか」「もっと他によい方法があるのではないのか」
答えてくれる人も、導いてくれる人もいない。けれども経過と結果だけは否応もなく答えとしてでてくる。
そんな中で、孤独と戦いながら必死で仕事をこなしてきた。

去年担当だった彼は、私たちの仕事を、仕事の困難さを理解をしておらず、評価もしておらず、それも私の不満のひとつだった。
しかしそんな彼でも、私の迷いはわかってくれていたらしい。
そして私がそういう迷いを抱えていることを、否定するではなく認めてくれていたらしい。

なんだか拍子抜け。
そうか。そうだったのか。
わかってくれていたのか。それでもいいと言ってくれるのか。

ちょっと嬉しかった瞬間。