プチへこみ

私の仕事先に、突然社員さんが一人付いてくるとのお話があった。
当日、10分前に急な話。
何の為に付いてくるのかと思いきや、いきなり指導の嵐。
「ここはこうするべきです」
「これではだめ」
そして、なにやら机の上で書き物をしていると思ったら、帰り際にレポート用紙3枚に渡って書き込まれた手紙を渡され、「家に帰ってから読んで下さい」と。
家に帰る気にもなれず居酒屋に入り広げてみると、さまざまな注意書きや仕事をするにあたっての心得などがびっしりと書き込まれていた。

「そんな事をされたらお客さんはどういう気持ちになりますか?」
「どうか、お客さんの気持ちになって考えてみてください」

熱心なのは認めよう。
だが、その根底にあるべき知識も経験も技術もない者が、何を見当違いの事を言っているのかと。
私にしてみれば、そんな内容。
一読し、内容のうち誤解を生んだかもしれないと思える事柄については心に留め、そして、手紙をびりびりに破り捨てた。
ああ、すっきり。

今の会社の社員さんはみなさんとても若くて、年長でも20代後半。
その社員さんも20代前半で、私とはひとまわりも年令が違う。
仕事のキャリアについては質問をした事はないが、私よりも多いという事はないだろう。
ちなみに、いまの会社には内緒だが、私はもう数年も別会社でいまの仕事関連のインストラクター(教官)をしているし、以前これまた別会社で指導職にいた事もある。

キャリアが上だからどうとかいう話はない。
それをいうと、私などもノンキャリアで抜てきをされたくちなので、何もいえない。
大切なのは、仕事に関する感受性だと思う。

社員(彼女)がアルバイト(私)に指導をする。
その影響力を視野に入れ、相手(私)の気持ちを尊重しつつ指導をする。
そんな芸当。彼女に求めるのが無駄なのか。
そんな事じゃこの先出世しても、多くのアルバイトを纏めていけないよーと心配する反面、空しくもなる。
こんな会社で使い捨てのアルバイトをしている私。
これではキャリアを先に繋げられない。

やはり、どこか新天地を探すべきなのだろうか。