過去旅行記録‐2

限られた時間、行きたい場所は決まっていた。
祖父母の家。
彼等が入院していた病院や、その帰り道に寄ったスーパーがある、中心街。
祖父母の家へ行った時に一人で出かけた、城下町。(これが、私の初めての一人旅行だった)
そして、時間があれば、何度も連れていってもらった遊園地か、もしくは祖父母揃って連れていってもらった景勝明媚な山間(こちらは連れて行ってもらったのは一度だけだが、病弱な祖母が一緒に出かけたのは、この一度だけだったので、思い出深い)。

どこにどういう順番で行くのか、何通りか考えはしたが、宿も取っていないし、城下町や山へは長距離バスや列車を利用する必要があるので、席があるかも現地に行かないと分からない。
情報収集の為のノートパソコンもある事だし、まずは現地に行ってから様子をみる事にして、東京を発った。

現地の空港に着くと、城下町直行の長距離の乗り合いタクシー発見。ネットで調べたルートの中では、これを利用したルートが移動時間が一番早かった。
本来事前予約だが、電話をしたところ、20分後の便が一席だけなら何とか乗り込めるとの事。
「ミニバンの補助席になりますが、いいですか?」
と、恐縮されたが、それでもありがたいと、申し込み。
ところが、実際に車が来てみると、運転手さんは助手席に乗せてくれた。
一番眺めもよく、快適な特等席。
運転手さんから色々な話を聞きながら、眺めを堪能した。

この城下町へ行くのは、20年ぶりとなる。
初めて一人で出かけた観光地なので、余計に思い出深い。
運転手さんの勧めで、何より先に宿を確保する事にして、タクシーを観光案内所の前に停めてもらう。
しかしやはり、宿はどこも満員。
観光案内所の職員さんが、必死になって探してくれる。
職員さんの最後の頼みの綱の宿には電話連絡がつかない。
連絡がついたらこちらから電話を入れますから、観光に行っていて下さいという職員さんの言葉に甘え、歩き始めてしばらくすると、宿がとれたと入電。
無料のレンタルサイクルも利用できるとの事で、ありがたかった。
礼を言い、宿に荷物を置かせてもらい、観光に出た。
(山に行くのは止め、城下町観光に専念する事に、この時点で決定)